行政視察報告

北九州エコタウン事業を見て


平成13年11月19日〜21日まで北九州市の「エコタウン事業」及び「ほたるの町づくり事業」、萩市における「世界映画祭事業」の視察を行いました。それぞれの今の本庄市の事業に関係あるものですが、ここでは紙面の都合上エコタウン事業を取り上げます。


エコタウンセンター前にて

本庄市においても環境基本条例の策定、それに続いてISO14001の取得と地球に優しい町作りへの取り組みが始まっております。

また本庄国際リサーチパーク推進協議会ではゼロエミッション(ごみゼロ)研究も進められており、循環型社会構築のためには廃棄物の資源化は避けて通れません。

北九州市のエコタウン事業はその歴史、事業規模、またその多様さにおいてすばらしく、そして圧倒されました。北九州の利点は立地のための広大な埋立地が有ることで、地域住民とのトラブルがほとんど考えられないことです。また資源循環のための技術やシステムは思いのほか進んでいることを実感しました。例えば食用油リサイクル事業です。普通は石鹸くらいしか考えつかないところですが、食用油を精製して建築用塗料、飼料原料、薬品・化粧品原料、軽油代替燃料等にリサイクルする。焼酎廃液で微生物を培養しエビ等の養殖に活用する。またアイデアと思われるのは古紙を畜産の敷き藁としてリサイクルしたり、他にも沢山の事業が考えられておりました。

このようなリサイクル事業の中から我が本庄地域の特性にあったエコ企業がぜひ立ち上がって欲しいと思いました。

今製造業は中国に奪われつつあり、空洞化が著しいですが、廃棄物を再生する技術で日本は世界に大きく貢献できる可能性があると確信しました。

発展途上の国々はかつての日本のようにもの作りに追われ環境問題がなおざりにされています。いずれ大きな社会問題になるでしょう。そのとき今の日本での先進的取り組みが役立つと思います。

エコタウン事業で取り組む施設をいたずらに排斥するのは誤りです。排斥すべきは産廃を野積み、野焼きしたり、環境基準値も守らず焼却する悪徳業者です。資源循環のためのちゃんとした施設とは区別すべきものです。正しい情報を流さず、いたずらに地域の人たちに不安を植え付けるのは環境にやさしい行動とは言い難いものです。

環境負荷のないリサイクル事業を立ち上げることは地域の雇用創出、活性化にも役立つと思います。